工芸品としての陶器とやきもの

工芸品

陶器ややきものには2つの意味で美しさが存在します。お皿や壺、茶碗など陶器ややきものには様々なものがありますが、まず重要となるのは機能美です。工芸品として機能美を追求し、日常生活を便利にすることが求められます。お皿や壺、茶碗などそれぞれの用途に応じた機能性を求めた先に機能美が存在します。優れた機能を有する工芸品には無駄がありません。

一方でデザイン性も重要とされます。日常生活において人々の生活を豊かにする物には親しみやすいデザインが伴います。愛着が湧くということはどのような製品においても重要です。人間が道具を効率的に使用できるようになるには道具そのものの機能性も重要ですが、人間の側で道具の使用方法に習熟することも必要になります。親しみやすいデザインを有する製品は使用する人間のモチベーションを高めます。一般的に用の美と呼ばれる工芸品の美しさは、必ずしも機能美と一致するわけではありません。

親しみやすいデザインを持ち、その製品を使用することで安らぎや喜びを感じることも必要です。機能美を求めることも重要ですが、用の美と呼ばれる生活と調和した素朴な美しさも重要となります。日本各地で作られ人々に愛用される陶器ややきものには、一定の機能美だけでなく用の美も備えられています。